TAYLの舞台裏:法務パーソンが使う異色ソフトウェア
TAYLを運営するにあたり、その準備と本番を通して、プレゼンソフト以外にも様々なソフトウェアの力を借りています。音楽制作・レコーディングソフト、動画編集ソフト、VJ(ビデオジョッキー)ソフト等々、普通法務パーソンが使わないであろうソフトを、場面に応じて活用しているのです。
「構想力・交渉力・興行力」の向上を目指すRJKが、TAYLの舞台裏でどんな環境で制作をしているのか、ソフトウェアの視点から投稿します。題して「法務パーソンが使う異色ソフトウェア」。
日本にいる法務パーソンの内の、一人か二人にとって、何かの参考になればと。
【スライド制作】
昔から「プレゼンではKeynoteを使っているんですか?」と聞かれることが多いですが、次の理由でWIN用のPower Pointを使っています。
- 職場での法務レクチャーでの本番機がWINで、PPTが標準となっている。
- (これはOSの問題ですが)KeynoteよりもPPTの方が、デフォルトで使える日本語フォントが多い。RJKはスライドにグラフやデータを使わないというポリシーがあるので、それだけフォントが重要になってきます。いくつか有料フォントを導入しています。
- 職場向け法務レクチャー、社外向けプレゼンのために、これまでWINのPPTで2300枚以上のスライドを作ってきたため、単純にPPTの操作に慣れている(機能を使いこなしているということではなく・・)。
- 莫大な量の過去スライド資産があるので、MAC環境やKeynoteへの移行がもはや難しい。(これはカメラと同じ状況ですね。Canonのレンズ資産故に他社カメラに移行しにくいという・・・。ちなみに動画メインの用途なのでAPS-Cです。)
Mac用のPower Pointも発売されていますが、レビューを見る限り、レイアウト崩れが怖くて、どうにも使う気になれず・・・。ちなみに自宅ではMACにParallelsでWin10を使えるようにし、Win用のPPTを走らせます。
ちなみに、トランジション等のセンスは、Keynoteの方が一段上だと思っていて、RJKの場合は2008年製のSnow leopard時代のMac Book Proをいまだに処分せずに残しています。
というのも、ティーザーを作る時に必須である「コンバージェンス」というエフェクトが使えるからです。探し方が悪いからかもしれませんが、最近のKeynoteではこの「コンバージェンス」が発見できないのですね。Keynoteからは削除されてしまったのでしょうか?それとも今は復活してるんでしょうか。
本当に、この「コンバージェンス」を使える環境を保持するためだけに、2008年製のMBPを処分せずに残しているのです(といっても2年ほど前まで現役でしたが)。バッテリーも一度自分で交換し、それも劣化して、もはやACでしか動きません。
【音響・音楽制作】
TAYLでは、TEDの音をサンプリングしてオリジナルのジングルを作ったり、ショートフィルムに音楽をつけたりするので、音響系のソフトウェアを使います。
DAW(昔でいうと、シーケンサーとMTRとサンプラーと音源が合体したもの)として、「Pro Tools 10」や、「Studio one 2」、それから波形編集でごくまれに「SpectraLayers Pro 5」や「Sound Forge Audio Studio」を使います。
映像を見ながら鍵盤を弾きつつ曲を載せるという使い方なら、Studio oneではなく、Pro Toolsの方で決まりです。またティーザーなどで、一文字一文字が現れるタイミングで効果音をつけたりする用途にもPro Tools一択です。そういえば、2014年にKeynoteのコンバージェンスとPro Toolsを駆使して制作したティーザー映像(TAYL1,10で放映したもの)を先日上海のある場所でも使ってきたのですが、好評でした。
音源としてはKOMPLETE 10 ULTIMATEだけで十分です。
【映像編集】
ショートフィルムやPVを作るために使う動画編集ソフトはFinal Cut Pro Xです(COMPRESSORも)。最近職場での編集が多くなったこともあり、Win環境の編集ソフトをテストしてみようかと思っています。現在手元にあるのは、Black Magic Design の「DaVinci Resolve」とMAGIXの「Vegas Pro」です。ただしテストの暇は基本的にありません。
【映像送出】
本番のTAYLの準備状況次第なのですが、自分にオペレーションの余裕があるときは、会場の映像送出関係をVJ(Video Jockey)用ソフトでこなしています。職場の記念式典でライブカメラ2台(うち1台はiPhoneを使ったワイヤレスのライブカメラ!)を駆使した映像送出で使って以来、オランダ発のVJソフト「Resolume Avenue」4と6を使用しています。前回TAYL10では、MACのACアダプターを忘れてしまってResolumeからの送出は断念しましたが・・・。
本職のVJのように音に合わせて映像を流すという用途ではなく、イベントのプレゼン画像のスイッチングや、ジングルのポン出し、ライブカメラの信号取り込み、ショートフィルムの再生、TAYLのロゴ載せなどをするプラットフォームとして、Resolumeを使っています。この辺は、学生時代に芝居の音効をやっていたのでVJ機材も割とすんなり入り込めています。
【画像関係】
一応、Adobeのサブスクリプションで、PhotoshopとLightroomを契約中。最近SOURCENEXTからPaint Shop Pro 2019を入手しましたので、今後はAdobeのCCを解除して節約できるかもしれません。
【WEB関係】
このTAYL.JPのサイトはWordPressで作っています。
もしからしたら必要になるかも・・ということでライセンスフリーの画像データ集「PIXTA」を準備しています。
以上、結構なソフトを準備しています。ほとんど使っていないというソフトも多く、また、使っている分も、至極初心者レベルの活用状況なのですが、TAYLのようなイベントでは、やりたいことを実現できるか、空間を作れるかというのが、どうしても持っている機材とソフトウェアによって決まってくる部分があるのですね。なので、使うソフトウェアが自然と多くなってしまいます。
【ハードウェア】
最後に、これらを走らせるハードウェアですが、Mac Book Pro 15(Mid 2015 16GB RAM/1TB SSD)です。USB-Cになる前の世代のモデルをAppleから「整備済み製品」で入手。スピードは陳腐化していますが、HDMIやThunderboltをはじめとする端子類が一通り本体についており、ハブをかませずに済むのです。これが、本番一人オペの自分にとってこの上ない安心材料になっています。
TAYLでは、プレゼンターとプレゼン内容は毎回変わりますが、それとは独立して、トークイベントとしてのセミプロ感を追求しています。ハードとソフトをそのために駆使しています。勿論、普通に法務として働きながらですので、ここで紹介したようなソフトウェアを使い始めるのは、強烈な締め切り効果を感じ始めるTAYL本番2,3週間前くらいからでしょう。
現実的によく使っているのは、頻度順に、PPT、Resolume、Final Cut Pro X、Pro Toolsでしょうか。現場ではプラスで音響系、撮影系、照明系の機材を使となると、毎回毎回、会場で必ず何かがトラブって、自分のプレゼンにはまったく集中できず、リハも今まで一度もやったことがないという状況です。でも、そういうエクストリームな環境が、自分の出番での火事場のクソ力的なパフォーマンスを引き出しているという・・。人が聞くと、あきれてまともに信じてもらえないその辺のメカニズムも、次回TAYL11のRJKプレゼン「武術としてのプレゼンテーション術」でお伝えする予定です。
そろそろTAYL11が近づいてきました。この3連休中に、プログラム内容をうっすらと投稿したいと思っているのですが、職場向けの執筆が大量にあり、投稿までは行きつかないかもしれません。
毎回オーガナイザーの張りつめ方が尋常でない、このTAYLというトークイベント。一人オペレーションの限界を行く薄氷を履むが如きこのイベントにご興味がある方は、メインページのコンタクト欄からお知らせください。そして、是非TAYL11の会場でお会いしましょう。