エクストリーム・ワーク

EXW

TAYL13の見通しが立たないまま、もう6月です。
RJKの職場でも自宅勤務が続く中、どれだけこの環境をポジティブに活用できるだろうかということを考えていました。

テレワークを充実させるための機材もかなり入れましたし、自宅勤務生活でとかく曖昧になりがちな業務終了後の時間を楽しむため、新しい趣味「カクテル」にも出会いました。
(ちなみに、テレワークを充実させるために導入したガジェットは、SENNHEISERのヘッドセット、THINKPADのキーボードなどなど)。

その中で、力を入れたのが、EXW。
IncotermsだとEx Works(工場渡し条件)を意味するのですが、RJKが提唱するEXWとは、エクストリーム・ワーク(EXtreme Work)です。

どれだけエクストリームな環境の中で、仕事ができるだろうか?という試みです。
自宅外で仕事をする。自宅勤務でなく、いわゆるモバイルワークをエクストリームな環境で行うわけです。

「森をサテライト・オフィスにする」

学生時代にソローの「森の生活」を読んで以来、森の中で暮らすのが一つの夢でした。

リタイアまでまだかなり時間が残っているのですが、最近この夢にかなり近い状態が相次いで実現されました。

一つは、親族が森の中の別荘を解放してくれたこと。大きくはないものの、二世帯が宿泊できるスペースと、薪ストーブもあり、デッキもある典型的な別荘で、ここで暖炉の前でくつろぐ動画を撮ると明らかに好感度ダウンになりそうです。
この森の中の別荘を仕事場につかえるようになりました。ありがたい!ただし、車で2時間近くかかる場所なので、普段の仕事場というよりも、ここはやはり、TAYLのプレゼンや映像や音楽や執筆の特別な制作のために缶詰めになる場所として使わせてもらおうと思っています。とりあえず、貢献する意味で、先日早速マッカラン12年を一瓶置いてきました。

もう一つが、別荘と対極のワーキング・スタイルの「森ワーク」。これは自力で実現に漕ぎつけました。
自宅から40分ほど歩いた所に森が2か所あります。
前日から天気予報をチェックし、天気が良い日には、朝おもむろに仕事道具を詰めたバックパックを背負って森に向かうのです。朝、森に向かって歩きながら、今日一日、人と違うことをやってやろう!という・・・この少年の様な高揚感がたまらなくいいんですね。

その広大な森には、テーブルとベンチが随所に点在していて、快適な場所を選びながら、日がな一日そこで仕事をするのです。これはもう最高です。

ZoomやTeamsでの会議や打ち合わせも普通にやります。社内の委員会の様な極めてかしこまった会議にも、バックに鳥のさえずり(というか、そんな穏やかなものでなく、「鳥々の叫び」と言った方が良い)を湛えながら出席して、森の中から色々と説明をおこなったりしています。
RJKのキャラクターと傾奇方を理解くださっている方々が多い、とても懐の深い会社なので、その会議の裏のチャットでは、「RJKさん、鶯の糞に気を付けて!」とか、「次回の委員会、森でやろう!」というような投稿がやり取りされていたりします。新規事業開発に真剣に取り組んでいる会社なので、なんであろうと新しいことに挑戦する個人に対して、絶対に否定から入ったりしない(笑)。

センスと覚悟のある方にはお勧めの職場です。ええ。

このEXWに問題点があるとすると、おそらく労災が下りない、というところです。
なので、EXWとは、「何が起こっても自己責任」という覚悟の人にだけ許される、この上なく優雅で貴族的なワーキング・スタイルといっていい。

この優雅で貴族的な働き方は、実地にやってみると、正直生易しいものではなく、色々と大変なことがあります。やはりNoblesse obligeな側面があります。

まず、「蚊」。いまの季節、ものすごい量の蚊が襲来します。当然虫よけを塗りたくり、さらにそのうえで、腕時計型のVAPE(中で小さなファンが回って薬剤を放出するものです)は必須です。お勧めの防虫剤は、また次回!

・・・誰もいない森の中なので、「密」によるコロナ感染は限りなくリスクが低い。ただ、コロナではなくデング熱にやられるのではないか、というのが心配です。

そして、その他の小さな仲間たち。樹上から毛虫や芋虫がノートに落ちてきたり、蜘蛛がキーボードに巣を貼ろうとしたりしていることも多く発生します。これは払いのけるしかないですね。払いのける道具として、いろいろ試行錯誤しましたが、用途の広さから、ファミマの「

スマホもメガネもふけるハンカチ」を常備しています。アウトドアで活躍するお勧めの一品。

最後に、まだ一度しかないのですが、「蛇」。あちこちに抜け殻があるので、間違いなくそれが存在することはわかっていましたが、やはり出ました。毒蛇であるか否かを確認する手間はかけず、とりあえず、無条件で退避するようにしています。とりあえず、逃げる。リスクマネジメントの鉄則です。

今では、バックパックの中に、ポイズンリムーバーを常備しています。日本に帰ってきて山の中を走り回っていたころに買った物が20年後の今必要になるとは思いませんでした(笑)。過去これを使ったのは、大きなムカデに刺された時一度だけですね。

ということで、EXW(森ワーク)では、こういった自然環境ゆえの苦労や不便も多いのですが、それが却って人間としてのサバイバル本能を刺激するわけです。正直、自宅勤務で鬱っぽくなる人もいると思いますが、そういう人には特にお勧めです。なんだかんだ言ってられない環境に身を置くことが改善に役立つかもしれません。

また、自宅勤務になって、実は家庭に居場所がないことが分かってきた中高年の方にも、これはまた激オススメなワーキング・スタイルなのですね。家庭はあなたを受け入れてくれないかもしれませんが、自然は分け隔てなく迎え入れてくれるでしょう。

一体どういう荷物で一日中森の中で働いているのか、と興味を持たれた方も多いと思います。とういことで、次回は、森ワーク時の”What’s in my bag?”と題して、EXWを実現するための装備をご紹介しましょう。